この10年間の出火件数をみると、おおむね減少傾向で推移しており、令和2年中の出火件数は3万4,602件となっています。
また、火災による死者数についても同様に減少傾向にあり、令和2年中には1,321人でした。
林野火災発生件数も長期的には減少傾向で推移しており、平成29年中の林野火災発生件数は1,284件でした(昭和21年以降最も件数が多かった昭和49年には、8,351件の林野火災が発生していました。)。例年、林野火災は春先を中心に発生しています。この原因としては、降水量が少なく空気が乾燥し強風が吹くこの時期に火入れが行われたり、山菜採りやハイキングなどで入山者が増加していることなどによるものと考えられます。平成29年においては、3月から5月までの間に667件(年間の51.9%)の火災が集中して発生しています。
林野火災の出火原因は、たき火、たばこ及び火入れによるものが圧倒的に多く、併せて、林野火災の消火には多くの困難を伴うことから、林野火災対策は、特に出火防止の徹底が重要です。消防庁では、次の事項に重点を置いて出火防止対策を推進しているところです。
また、毎年、林野庁と共同で、春季全国火災予防運動期間中の3月1日から3月7日までを全国山火事予防運動の統一実施期間とし、統一標語を定め、テレビ、新聞、ポスター等を用いた広報活動や消防訓練等を通じた山火事予防を呼びかけています。